加藤 直徳  Naonori Kato

EDITOR

1975 年東京生まれ。
編集者。
白夜書房入社後、
インテリア誌「ROOM+」、
キッチン書籍「GIRLS KITCHEN」などを手掛ける。
アフガニスタン訪問をきっかけに
トラベルカルチャー誌「NEUTRAL」を2004、創刊。
以後、10号が発刊.
現:「TRANSIT」(最新号_5号発売中)



513VxXeBoDL._SS400_.jpgTRANSIT最新号

Message to MVP(2006年)

親愛なる男たちへ

ちょい悪がいいという。
ギロッポンヒルズがお洒落だと言う。
そんな自称セレブ全盛の中、「アフガニスタンで絨毯作りを支援する」
という特異な男たちがいる。
ちょい悪じゃなくて甘っちょろいもんじゃない。

アフガニスタンのニュースが、
この国のお茶の間に流れることはない。
テレビはただひたすらに馬鹿を大量生産するお笑い
(は〜い、すいまちぇん)と事実そっちのけでわけの分からない
コメンテーターが「解説」するニュースを垂れ流している。
ニュースとは事実起った事象のみを流すものであり、
判断は見た人が下すものである。
死んでも誰かに「解説」してもらうものじゃあない。


neutral1.jpgNEUTRALで織らせてもらったRUG



もう駄目だ。雑誌も芸術も死んだ。
そう思っていたNEUTRAL誕生前夜、
フクサダさんとヒノさんというニッポン男児が、TOKIOにやってきた。
第一印象は自分も十二分に悪い方だが、
アニキたちの目つきのほうが数倍ヤバかった。
だが、話すうちにその眼光は「知らない世界を見てやろう。伝えてやろう」
という強い意志からくるものだと分かった。
彼らの口から発せられるアフガンの「ニュース」は、事実のみを伝えていた。
ただひたすらに「現実」を教唆してくれていた。

僕は彼らが心配だ。自分が2002年にアフガンに行ったとき、
隣のレストランで銃撃戦があった。
チビるとはまさにこのことだと思った。
震えが全身に走り、ゲストハウスの柱をひたすら握りしめていた。
でも彼らはそんなアフガンの地を幾度となく訪れ、
いとも簡単な顔で活動している。
ネットで彼ら写真を見たり、帰国の報を外から聞いて、
妙に安心している自分がいる。

情報なんて見るまで信じるか、
という至極当たり前の事を彼らから少しでも学んでほしい。
そして「アフガンを見てやろう、知ってみたい」と思って欲しい。
僕たち若い世代は彼らに確実に打ち負かされている。
そんなの悔しいじゃないか。彼らを見ているといつもそう思う。
さあ、モグのオヤジたちに負けないように「世界を見てやろう」。